オランダvsコートジボワール

コートジボワール強い!オランダ弱い!
たぶん「死のグループ」の2試合を見てこう評価した人は少なくないはず。
結果じゃなくて内容を見てならという条件つきだけど。
ぜんぜん関係ないけど、C組は「死のグループ」ではないと思う。
なんだかんだいって最初からオランダとアルゼンチンで決まりだと思っていたら結果そのとおりに。
いくら力があるとはいえ、オランダ、アルゼンチンは結構な完成度で仕上げてきて、さらに大会経験者。
かたやコートジボワールは初出場。これが差になると思っていた。
セルビア・モンテネグロ(以下SCG)は過去東欧のブラジルなんて呼ばれていた時代とはもうぜんぜん違う。
予選を見ればわかるように、今は堅守からカウンターで点を取るチーム。
華麗な個人技で観客を魅了するようなチームではないんだよ。
そんなSCGで予選堅守を披露したレギュラーCBのヴィデッチが怪我で大会欠場。
さらに対戦相手のアルゼンチン、オランダは攻撃陣が売りのチーム。しかもワールドクラス。
よって混戦になるとは思ってませんでした。
個人的に死のグループをあげるとしたらグループGのフランス、スイス、トーゴ、韓国。
今のフランスだからこの評価なんだけど。
死のグループとかいってたメディアに対してのコメントはこれぐらいにしておいて試合評。
オランダは前節と変わらずちぐはぐなイメージだった。
DFからFWまで連動性が感じられない。選手の調子もよくないし。
この試合でいいと思ったのは、ファン・ペルシーとジオとオーイエル。
ロッベンは2点目のアシストはよく見てたと思った。
ファン・ニステルローイもワンチャンスでよく決めた。
ただ、それだけなんだよね。ロッベンは前半マークがゆるかったときは自由に動けていたけど、
後半になってマークが変わるとドリブルもとめられるようになり、消えていった。
ファン・ニステルローイも得点決めただけでそれらしい活躍してないし。
対照的にファン・ペルシーだけは終始元気に走っていた。ドリブルも冴えていたし、FKは見事の一言。
右足のクロスもなかなかだった。左足しか使えないイメージがあったんだけどね。
問題なのが中盤。予選のときはいい動きを見せていたのにいつの間にか調子悪くなってるね。
親善試合のときからその傾向があったかもしれないけど、とくにセンターの2枚の出来がよくない。
この試合はコクとファン・ボメルだったけど、どちらも攻撃の起点になりえず、守備も中途半端。
ファン・ボメルは前半の前半は攻撃に絡み、守備も積極的にこなしていた。
まぁ前半の前半までなんだけど。
コクはオーストラリア戦で怪我してからおかしいね。
どの試合もいまいちPSVのような存在感を出せていない。そしてなぜ中盤の底で使わないんだろう。
明らかにスナイデルのほうがコクより向いてるのに。というか3人全員がセンター向きなんだよね。
マドゥロ使ってあげればいいのに。そうすれば中盤安定しそう。
今中盤が安定してないのは誰が拾い役で誰か起点なのかわかんないところだと思う。
3人とも両方こなせるから逆に難しくなってるんだと思う。
とりあえずスナイデルの底ヴァージョンを2戦見たけど、いい印象はうけなかった。
やめといたほうがいいかもね。
おとなしく予選と同じくセンターにスナイデルファン・デル・ファールト、底にコクでやればいいのにね。
DFはマタイセン以外はなかなかな動きを見せていた。特にオーイエル。
W杯前は見たことがあまりなかったんだけど、2試合見てもう覚えた。
決定機の最後の最後でカットするのが大抵オーイエル。ラストパスカットしたりとか枠内シュートを
体で防いだりとか。でもやっふーの採点じゃなんも役に立たなかったマタイセンが上なんだよね。
なんでやら。
RSBはクロンカンプよりヘイティンハのほうが断然上だね。
上がりもいいしディフェンスは所属のPSVでCBやってるように1vs1も強い。試合感もあるしね。
LSBはジオで決まり。上がりはLSHやってたことからもタイミングもうまいし、守備もそれなりになってきた。
CBはブーラルーズとオーイエルでいいと思う。途中出場したブーラルーズ、この試合もいい動きできてたし。
次はアルゼンチン戦だからこの2試合を生かして最高のメンバーで戦ってほしい。
個人的には前線の左からロッベンファン・ニステルローイファン・ペルシ
ファン・デル・ファールトスナイデルマドゥロ
ジオ、ブーラルーズ、オーイエル、ヘイティンハ。
あとは全力で頑張れ。
そして、その弱いオランダがこの試合で勝てたポイントは優秀なFKキッカーがいたこと。
ワンチャンスを決められるベテランがいたこと。
そしてコートジボワールが若手が多くメンタル面が弱かったこと。
この3つだと思う。
1つ目の優秀なFKキッカー。ファン・ペルシーとスナイデル。右サイドからだったから
ファン・ペルシーがけると思っていたけど、あのコースは見事だった。
内側にまいてくると俺もGKも思っていたら外側に直線で強烈なシュート。
あれは逆側に反応したGKなら間違いなくとれないだろう。
2つ目はエールディビジ、プレミアで得点王に輝いた経歴を持つ現代表ではベテランのファン・ニステルローイの経験。
2点目はFKに続いての2回目のチャンスだった上に得点から数分から経っておらず相手のDFも動揺していた。
そこで向かえた決定的チャンスはやっぱプレッシャーもかかるもの。
それを見事に決めたファン・ニステルローイのストライカーとしての経験かなぁと。
3つ目はメンタル面の弱さ。
2点目がすぐ入ったことからもわかるように、動揺が隠せなかったのはあったよね。
何度もチャンスを作っておきながらの2チャンスで2失点。
1点目でとめることもできたけど、若手が多い中そこから立て直すのは難しいね。
幸い1点入れ返すのが早かったため後半はコートジボワールペースになったけど、
入ってなかったらたぶん3点、4点と取られていたような気がする。
まぁファン・バステン監督は守備的な采配をする傾向があるようだから守りにいったと思うけど。
にしても、コートジボワールは強い。
個人が身体能力、技術ある上に、ミシェル監督が組織をうえつけたからとてもアフリカとは思えないサッカーをする。
サイドから攻撃したり中央から攻撃したりと多彩な攻めを見せていたし、ドログバの存在は思ったよりでかい。
アルゼンチンもオランダも後半はコートジボワールに押されていたからその実力は本物だと思う。
コートジボワールでひときわ輝いていたのはゾコラ
ヤヤ・トゥーレにも個人的に期待してたんだけど、この試合はゾコラほどではなかった。
ポストにあたったミドルもあるし、パスカット、ボール奪取率も高い。さらにはゲームメイクもでき、
後半はいいパスを供給し続けていた。
間違いなく大会終わったらサンティチエンヌからビッククラブに移籍するだろうね。
有力なのはマンチェスターUかな。ディアラが取れなかった場合だろうけど。
コロ・トゥーレのディフェンスは今季で一段と成長したと思う。
2失点後はしっかり立て直していたし。
来年のネーションズ・カップコートジボワール優勝しそうだな。
ドログバが次節累積警告で出場できないことも次節で今大会を去ってしまうことも残念で仕方ないけど、
記憶にはしっかり残せたと思う。
誰かが言ってたけど、何年か後にはアフリカで優勝国が出てもおかしくないと思えるいいチームでした。